「特徴」と「特長」の違い!使い分けのコツ

「特徴」と「特長」の違い

「特徴」と「特長」の違い!使い分けのコツ

「特徴」と「特長」の違い
ことばの博士
特徴」と「特長」は、どちらもトクチョウと読む同音異義語です。

特徴」は「他のものと比べて特にちがって目立つ点」、「特長」は「他のものと比べて特に優れている点」という意味の違いがあります。

特徴」は「他のものと比べて特にちがって目立つ点。きわだったところ」という意味です。

特徴」の“”は「それだけ目立って著しい」、‟”は「あらわれ。しるし」という意味があり、合わせると「目立ってあらわれている」すなわち「他のものと比べて特にちがって目立つ点」という意味になります。

特徴」は他の何かと比べて目立っている点のことなので、プラスな事柄を表す時マイナスな事柄を表す時もどちらにも使うことができます。

一方、「特長」は「他のものと比べて特に優れている点。目立つ点」という意味です。

特長」の‟”は上述の意味に加えて「とりわけ」という意味もあり、‟”は、「すぐれたところ」という意味があるので、「とりわけすぐれたところ」という意味になります。

特長は、‟”の漢字の意味からもわかるように、プラスな事柄を表す時のみに使い、「特徴」のようにマイナスな事柄では使用できません。

助手猫
特徴」も「特長」も目立つ点を表すけど、マイナスの要素を表す時は「特徴」しか使われへんで〜

「特徴」の意味・使用例

「特徴」とは

「特徴」の意味

特徴」は「他のものと比べて特にちがって目立つ点。きわだったところ」という意味で、プラスな事柄マイナスな事柄、また価値判断を含めない場合にも使います。

良い悪いといった価値判断を含めない表現とは、たとえば、「日本の貨幣のうち、5円玉と50円玉は穴が開いていることが特徴だ」という風に、それが良いのか悪いのかを表さないことです。

ことばの博士
特徴」の類義語は「異色」「特色」などがあります。

「特徴」の基本例

  • 特徴のある顔」
  • 特徴的な建物」
  • 「あの鳴き声が特徴だ」

「特徴」の例文

  • 彼女の特徴は、素敵な笑顔だ。
  • 今期の業績は、前期より売上高が落ちていることが特徴だ。
  • 待ち合わせ場所としては、特徴的な建物が選ばれやすい。

「特徴」の文献例

  • ・・・徴をもつ人を人柱にすれば望みの建物を建てることができる、と建造主に進言する。その特徴に該当する人は他に求められず、人々はその男の特徴に気づく。男は人柱に立てられるこ ・・・稲田 浩二(著)「昔話の年輪80選」
  • ・・・抑うつ的傾向になることも指摘されている。しかし最近の研究では,高齢者がこのような特徴をもつものだけではなく,能力や生活はかなり多様であることが強調されている。種々の ・・・千田 富義(著) 「介護福祉士養成講座」
  • ・・・が確立するほぼ一八七〇年頃、フランス産業革命は終期を迎える。 フランス産業革命の特徴は、一九世紀前半はともかくとして、その後半における緩慢な発展である。それは、大革・・・大島 隆雄(著)「西洋の歴史」

「特長」の意味・使用例

「特長」とは

「特長」の意味

特長」は「他のものと比べて特に優れている点。目立つ点」という意味で、その事柄の良い点や優れた点を示すことのみ使用できます。

話し言葉で、「特長」を使う時は、「特徴」と同音で、意味も似ており、誤解を生じやすいので、下述のように類義語で言い換えたほうが無難です。

ことばの博士
特長」の類義語は「長所」「メリット」などがあります。

「特長」の基本例

  • 「その人の特長
  • 特長のある日本画」
  • 特長を示す」

「特長」の例文

  • 健太君は足が速いのが特長だ。
  • 弊社の商品の特長は、デザインと機能性です。
  • 「自分には何も特長がない」なんて、そんなことありませんよ。

「特長」の文献例

  • ・・・した温度センサーです。感温部の熱容量が小さいものでも機械的な強度が備わっているのが特長です。産熱量―体内で産生される熱(エネルギー)量のこと。―寒い環境にいるときはふる・・・宮崎 良文(著)「快適さのおはなし」
  • ・・・さいときにお母さんから引き離されたので、犬の寝方を知らないのかもしれない。あと、特長としては、言葉遣いが丁寧である。ただ、他所の人がいるとしゃべらない。赤ちゃんのと ・・・森 博嗣(著) 「森博嗣のミステリィ工作室」
  • ・・・ 抗議するというトラブルが発生した。『スーパードライ』という商品名は、商品の品質の特長を表示するだけの名前であるので、本来これだけでは、商標登録の対象にはならないネー・・・ 星野 匡(著) 「すぐ役に立つネーミングの本」

記事の参考文献

  • 偏 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版,三省堂.
  • 偏 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之(2011)『新明解国語辞典』第七版,三省堂.
  • 編著 北原保雄(2010)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
  • 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年10月19日).
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年10月16日).
北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

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