「主席」と「首席」の違い!使い分けのコツ

「主席」と「首席」の違い

「主席」と「首席」の違い・使い分けのコツ

「主席」と「首席」の違い
ことばの博士
主席」と「首席」は、どちらもシュセキと読む同音異義語です。

主席」と「首席」はどちらもリーダーやトップの位置を示す言葉ですが、使われる場面や意味に違いがあります。

主席」は「国家や政党などの公式な組織・機関・団体などの代表する地位やその役職、またはその人」のことを意味し、「首席」は「第一位の席次や身分。首位の席。またはその人」のことを意味するという違いがあります。

主席」の””には「あるじ」「かしらとなる者」という意味があり、特に組織のトップやその人物を表すときに使われます。

一方で「首席」の””には「おさ、かしら」という意味のほかに「先頭、第一、いちばん上」という意味があります。

例えば、「首位」は記録や成績の上位者を指します。

そのため、成績などの順位が最も上であることを指す場合は、「首席」が使われます。

助手猫
ちなみに「主席」の次は「副主席」というけど、「首席」の次は「次席」「三席」という風に言うんやで~

「主席」の意味・使用例

「主席」とは

「主席」の意味

「主席」とは、「国家や政党、団体の最高責任者または代表する人物」「主の席」という意味があります。

ことばの博士
例えば、「国家主席」は主にアジア圏の社会主義国家で「首相」や「大統領」のように国の代表者を示す役職を意味しています。

「主席」の基本例

  • 主席の地位」
  • 「毛沢東主席
  • 「中央軍事委員会主席

「主席」の例文

  • 新たな中国国家主席が選出されたニュースが話題だ。
  • 汚職事件が原因で、国民党主席が辞任の意向を表明した。
  • 選挙で主席の座を争う候補者の中で最も有力なのは彼だ。

「主席」の文献例

  • ・・・自治政府とあわせて三つの傀儡政権を占領地域に樹立した。三つの政権の最高委員または主席には中国人または蒙古人が任命されたが、最上位の最高顧問には日本人が就任した。・・・江口 圭一(著)「日中アヘン戦争」
  • ・・・少奇・国家主席や彭真・市長ら「修正主義実権派」の金城湯池となり、片や上海は江青・主席夫人を頭目とする左派急進派「四人組」の巣窟となって、国を二つに割ってしのぎを削り・・・西倉 一喜(著)「アジア未来」
  • ・・・)が南北にでき上ってしまっていたことであり、南北対話から四カ月、元日恒例の金日成主席の八三年新年辞も「チュチェ思想にもとづくわが党の自主的平和統一方針の偉大な勝利」・・・林 建彦(著)「北朝鮮と南朝鮮」

「首席」の意味・使用例

「首席」とは

「首席」の意味

首席」は、「第一位の成績・地位。またその人」を意味します。

ことばの博士
成績上位者を指す場合にも使われる点が、主席との大きな違いですね。

「首席」の基本例

  • 首席代表に指名される」
  • 首席合格者」
  • 首席補佐官」

「首席」の例文

  • 彼女はコロンビア大学を首席で卒業した。
  • 彼は歴代最年少のオーケストラの首席バイオリン奏者だ。
  • 学生時代の母は常にクラスではだった。

「首席」の文献例

  • ・・・ハーラン判事の孫である。 フランクファーターとジャクソンの二人に代わってウォレン首席判事とともに判決の行方を左右するのが、一九五六年アイゼンハワー大統領に任命された・・・阿川 尚之(著)「憲法で読むアメリカ史」
  • ・・・やかな顔や衣服に異論はない。「この教会を明るくせよ」と命じたのは国王自身だ。だが首席宮廷画家が描いたものは、あまりにも不信心で軽率ではないだろうか。これらの天使たち・・・リオン・フォイヒトヴァンガー(著)/ 鈴木 芳子(訳)「宮廷画家ゴヤ」
  • ・・・に引き連れているのは、ホグワーツの五年生に進級する双子のフレッドとジョージ、全校首席に選ばれたパーシー、ウィーズリー家の末っ子で一人娘のジニーだった。 ジニーは前か・・・J・K・ローリング(著)/ 松岡 佑子(訳)「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」

記事の参考文献

  • 編 松村 明 山口 明穂 和田 利政 (2009)『国語辞典』第十版,旺文社
  • 編 新村 出(1991)『広辞苑』第四版,岩波書店
  • 小学館.「デジタル大辞泉」.<https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年7月14日).
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年7月14日).
北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)
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