「将来」と「未来」の違い！使い分けのコツ

「将来」と「未来」の違い・使い分けのコツ

「将来」と「未来」は類義語ですが、その意味に違いはあるのでしょうか。

「将来」と「未来」は、どちらも「これから来る先のこと」を意味していますが、微妙な違いがあります。

「将来」の”将“は「将（まさ）に来たらんとする」という漢字が示す通り、より近いうちに訪れる先のことを意味する場合に使用されます。

その一方で、「未来」の”未“は、「未（いま）だ来ない」と読めるように、将来よりも遠い先のことを表す場合に使用されるという違いがあります。

また仏教では「未来」は「死んでからいく世」という意味もあります。

例えば、「3年後の将来」とは言うけど、「100年後の将来」とは使わないのが一般的なんやで～。100年先を表したいときは、「100年後の未来」という自然なんやで～

「将来」の意味・使用例

「将来」の意味

「将来」とは、「これから来る先のこと」「これから先に訪れること」を意味します。

例えば、「将来の夢」のように、より主観的な未来を言い表したいときに使われます

「将来」の基本例

• 将来の夢
• 会社の将来像
• 将来的なビジョン

「将来」の例文

• 「彼の小学生の時の将来の夢は宇宙飛行士だった。」
• 「自分の将来像をおぼろげながらも思い浮かべてみる。」
• 「今は料理人の一人として働いているが、将来的には自分の店を持つことが目標だ。」

「将来」の文献例

• ・・・場合とでは違って来るんだけど、私は今、一人暮らしのおばあさんを想定しているから、将来貸してもらえなくなる不安を思えば、買うことを頭に入れておいたほうがいいよね。吉本・・・吉本　由美(著)/ 小沢　瑞穂(著)「かっこよく年をとりたい」
• ・・・楽観的見方を持っており、進歩を崇拝し、学歴社会を信仰している。しかし子供たちは、将来に悲観的であり、現在中心であり、成熟を拒否し、感性中心の世代である。この違いは、・・・町沢　静夫(著)「若者の心の病がわかる本」
• ・・・おけるスミスの比重＝存在理由がより一層増してくるだろう。その上で、それが現在から将来に向けての経済思想のあり方にいかなる意味を有しているのか、ということが改めて問わ・・・星野　彰男(著)「アダム・スミスの経済思想」

「未来」の意味・使用例

「未来」の意味

「未来」とは、「（将来より遠い）これから来る先のこと」「（現在・過去・未来の）現在の後に来ること」を意味し、仏教では「死後の世」という意味もあります。

また「未来」が使われている四字熟語には「未来永劫」があって、「非常に長い時間の間、永遠に」という意味もあります

例えば、「未来の世界」のように「将来」と比べると、時間的に遠く、客観的で抽象的なニュアンスを持っています。

「未来」の基本例

• 「未来を担う」
• 「バラ色の未来」
• 「近未来的」

「未来」の例文

• 日本の未来を担う子供たちのために学校教育は日々進化することが求められる。
• 未来予知があたると話題の占い師を訪ねる。
• 卒業式では在校生が卒業生たちの輝かしい未来を願って祝辞を述べた。

「未来」の文献例

• ・・・の間を未来のクルマが浮遊して走る、不思議な光景がスクリーンに展開された。おまけに未来のロサンゼルスの町には、「コカコーラ」とか、いまでも存在する企業の広告が氾濫して・・・粥川　準二(著)「人体バイオテクノロジー」
• ・・・しの心の中に響いてきた。希望を失わなければ、もう一度、誇りを取りもどせる。平和な未来が信じられれば、失いかけた自信や自尊心も取りもどせる。そんな思いがひろがっていっ・・・新井　容子(著)「小さきものの祈り」
• ・・・、いつも考えています。　仕事も順調で、精神的にも落ち着いているようす。あなたは、未来に向けて生きていく意志をもっているかただと思います。マモルくんもそれを感じて、応・・・今泉　岳雄(著)/ 畑山　伊佐枝(著)「お母さんひとりで悩まないで」

記事の参考文献