「商品」と「賞品」の違い・使い分けのコツ
「商品」は「売買を目的とした品物」、「賞品」は「賞として与える品物」という意味の違いがあります。
「商品」は「売買を目的とした品物やサービス、情報」という意味があります。
「商品」の“商”は「あきない」、“品”は「しなもの」という意味があり、合わせると「商いの品物」、すなわち、「売買を目的とした品物」という意味になります。
「商品」はお店に売ってある食品や家具など目に見える具体的なものだけでなく、投資信託・株などの金融商品、買い物を代行してくれるサービス、情報など目に見えないものもあります。
経済活動において生産・流通・交換される商品・財およびサービスのことを言います。
一方、「賞品」は「ご褒美として与える品物」という意味です。
「賞品」の“賞”は「ほうび」という意味があり、“品”と合わせると「褒美の品物」すなわち、「ご褒美として与える品物」という意味になります。
「賞品」はコンクールやスポーツ競技などで成績が優秀だった人に与える品物のほかに、抽選や懸賞で当たった人に与える品物のことも言い、「賞品」はお金で買える「商品」とは違い、非売品とも言えます。
お金を出して手に入れることができるのが「商品」で、何かやったことに対してご褒美として無償で手に入れることができるのが「賞品」です。
「賞品」は、無償ですが、非売品のために簡単に手に入らないことも多いです。
「商品」の意味・使用例
「商品」の意味
「商品」は「売買を目的とした品物やサービス、情報」という意味です。
目に見える品物だけでなく、目に見えないサービスや情報なども「商品」と言い、例えば、旅行会社のプランや保険会社で加入する保険も「商品」と言えます。
「商品」の基本
- 「目玉商品」
- 「金融商品」
- 「商品化」
「商品」の例文
- 今日の目玉商品は全て売り切れてしまいました。
- 金融商品とは、預金や債券、株式や投資信託、年金や保険などのことを言います。
- このアイデアを商品化するためには最低でも1年はかかる。
「商品」の文献例
- ・・・の元役員で、NEWSというワークステーションやロボット犬AIBOなど、ユニークな商品を生み出した土井利忠は、社内でこんな警鐘を鳴らしていた。「良い子」というのは、愛・・・ 加藤 良平(著)「遺伝子工学が日本的経営を変える!」
- ・・・ある。 人と物は、資本の物質的/象徴的な支えである。 資本は内部へ向かったとき、商品と同じように使用価値の域に対応する領有の実態的世界を構成するが、外部へ向かって展・・・山本 哲士(著)「文化資本論」
- ・・・立て、本物志向の商品を作ってしまった。模造刀、鉢金から古地図、局中法度まで。その商品を売っているのが、壬生寺の横で営業している、その名も「京屋忠兵衛」。新選組の大坂・・・杉村 和紀(著)「新選組永倉新八のひ孫がつくった本」
「賞品」の意味・使用例
「賞品」の意味
「賞品」は「ご褒美として与える品物」という意味です。
何かやったことに対してご褒美として与えられるものですので、欲しいと思っても簡単に手にいれることができないものです。
ちなみに品物が金銭になると「賞品」ではなく「賞金」と言います。
「賞品」の基本例
- 「優勝賞品」
- 「一等賞品」
- 「豪華賞品」
「賞品」の例文
- この野球大会の優勝賞品はメジャーリーグ観戦チケットです。
- スーパーでやっていたくじの一等賞品は海外旅行です。
- 豪華賞品をかけてがんばって下さい。
「賞品」の文献例
- ・・・ことを、ボクは極端に嫌う。福引みたいなものは、外れると大喜びをするし、当たっても賞品を誰かにやってしまう。大嫌いな飛行機に乗るたびに、これで一回運を使ったと考えるこ・・・大橋 巨泉(著)「巨泉」
- ・・・ゼントするというものであった。広告主は、健力宝アメリカ社。有名メーカーの自動車を賞品にすることは、中国系企業にとってははじめてのことであった。 健力宝アメリカ社はさ・・・ 莫 邦富(著)「十二億人市場を狙え」
- ・・賞品が与えられるのが常識でした。もちろん、企業運動会や町内の運動会では、現在でも賞品が付き物です。 それらは、厳密にいうならば、かつての「アマチュア規定違反」という・・・玉木 正之(著)「スポーツ解体新書」
記事の参考文献
- 偏 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版,三省堂.
- 偏 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之(2011)『新明解国語辞典』第七版,三省堂.
- 編著 北原保雄(2010)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年12月2日).
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年12月2日).
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.