「資料」と「史料」の違い・使い分けのコツ
「資料」と「史料」は、どちらもシリョウと読む同音異義語です。
「資料」は「何かの研究や調査のもととなる材料・データ」、「史料」は「歴史の研究をするための材料・データ」という意味の違いがあります。
「資料」は「その研究や調査などのもととなる材料・データ」という意味です。
「資料」は一般的な用語として日常生活でもよく使われます。学問的な分野の研究・調査だけではなく、マンガやアニメなど、娯楽分野の研究・調査など、どの分野の研究や調査でも使うことが出来ます。
一方、「史料」は「歴史に関する研究や調査、編さんをするための材料・データ」という意味です。
「史料」の‟史”は「歴史」という意味があります。その意味の通り、歴史の研究・調査のもとになるものが「史料」になります。「史料」は「資料」の意味の中に大きくいえば、含まれます。
どっちを使うか迷った場合は、「資料」を使えば問題ないんやでー。
「資料」の意味・使用例
「資料」の意味
「資料」は「何かの研究や調査などのもととなる材料・データ」という意味です。どの分野のものでも、研究や調査、記述などのもとになれば「資料」となります。
具体的には、文献やレポート、研究対象の実物など様々なものがあります。
「資料」の基本例
- 「研究資料を集める」
- 「原稿を書くための資料」
- 「資料をまとめる」
「資料」の例文
- 図書館は博物館に行き、研究資料を集める。
- 好きな作家についての原稿を書くための資料を手に入れた。
- 沢山の資料をまとめると、研究の方向性が見えてきた。
「資料」の文献例
- ・・・査を意識した行動をとることが少ないため,実態を正確に反映した資料が得られる。4 観測値の精度を計算することによって,調査目的に応じた合理的な調査 ・・・倉持 茂(著)/ 飯田 詢(著)「特級技能技師のための管理・監督の知識」
- ・・・アメリカへも次第に移植されてゆく(同、一九八二年)。こうして研究室での実験または資料分析をもとに、ゼミで報告と討論を繰り返し検証してゆくという新しい学問スタイルは、・・・ 日垣 隆(著)「<検証>大学の冒険」
- ・・・登録台帳と一緒に請求して写しを取得。3 固定資産税評価計算書 従来は非公開資料だったが請求できるようになった。市区町村によってはコンピュータ出力ができないこと・・・ 反町 秀樹(著)「相続手続き完全マニュアル」
「史料」の意味・使用例
「史料」の意味
「史料」は「歴史に関する研究や調査、記述をするための材料・データ」という意味です。遺物や遺跡をはじめ、伝承や歴史的文書など、様々なものがあります。
日常では、「史料」が「資料」に含まれることが多く、「史料」の使用頻度は多くはないです。
「史料」の基本例
- 「貴重な史料」
- 「史料の保存」
- 「史料が手に入る」
「史料」の例文
- この遺跡は歴史的にも貴重な史料です。
- 博物館では史料の保存が今後の重要な課題になる。
- 遺跡発掘の結果、貴重な史料が手に入る。
「史料」の文献例
- ・・・時の物資の流れを知ろうとする場合、この史料の価値はきわめて高い。しかもこの史料の文安二年一、二月分の原本は、東京大学文学部に所蔵されて戦前から知られていたが、・・・ 永原 慶二(著)「大系日本の歴史」
- ・・・外国の市史類を参考にして史料収集の必要性を痛感し、編纂員らとともに厖大な史料を収集したが、大阪市に寄贈されたものと公費で購入したものだけは、事業完了後大阪市 ・・・藤本 篤(著)「古文書の語る日本史」
- ・・・要な施設に「舟曳道」がある。これをどのように造成したか、これまで知られる殆んどの史料も研究も触れていない。川岸の殆んどが沿道の造れる状態では無かったとすれば、曳舟の・・・ 川名 登(著)「近世日本の川船研究」
記事の参考文献
- 編 北原保雄(2021)『明鏡国語辞典』第3版.大修館書店
- 編 見坊豪紀・市川孝・飛田良文・山崎誠・飯間浩明・塩田雄大(2022)『三省堂国語辞典』第8版.三省堂
- 小学館「デジタル大辞泉」<https://dictionary.goo.ne.jp/jn>(参照日2024年9月7日)