「機関」と「機構」の違い!使い分けのコツ

「機関」「機構」

「機関」と「機構」の違い・使い分けのコツ

「機関」「機構」
ことばの博士
機関」と「機構」は類義語ですが、その意味に違いはあるのでしょうか。

機関」は「ある目的や役割を果たすためにつくられた組織・仕組み」、「機構」は「ある仕事や役割を担うために、複数の団体・人・国が集まって構成された組織とその仕組み」という意味に違いがあります。

機関」は「ある目的に役立てるために作られた組織・仕組みや施設」という意味です。

機関」は他にも「法人や団体などの意思の決定をしたり、代表となる人、または組織」という意味もあります。

一方、「機構」は「ある仕事を行うため大勢の人や複数の団体などが集まって構成された組織、その組織の仕組み」という意味です。

機構」は「官庁・会社・団体などの組織またその仕組み」という意味もあります。

助手猫
機関」は一つの組織、「機構」は人々や複数の団体が寄せ集まっている組織やで。

「機関」の意味・使用例

「機関」とは

「機関」の意味

機関」は「ある目的を達成するためにつくられた公共的、社会的な組織や施設」という意味があります。

さらには「法人や団体などの意思決定をしたり、代表となる人、または組織」や 「エンジン。火力や電力、石炭などのエネルギーを力学的な力に変える装置」と様々な意味があります。

ことばの博士
機関」は幅広い意味があり、文脈によってその意味を理解することが大切です

「機関」の基本例

  • 「交通機関
  • 「国際機関
  • 「行政機関

「機関」の例文

  • 大規模な停電のせいで、交通機関に影響が出ている。
  • 国際機関であるWHOは、世界中の健康問題に対応している。
  • 各自治体にも様々な行政機関がある。

「機関」の文献例

  • ・・・用することが望ましいでしょう。地域社会との関係を考えますと、行政もしくは公共的な機関が、在宅介護支援センターを直営し、そこで必要なケアマネジャーを雇用するのがいいで・・・ 中山 徹(著)「これからの配食サービス」
  • ・・・くかが,連携の課題になってくる。3)決定の場の設置 多くの関与者もしくは機関があるときには,決定する場を決める。接点を探っていくには,運営委員会,実務者の会・・・ 荒賀 文子(著)「精神保健福祉援助技術各論」
  • ・・・に立つ 「星」は陸軍、「碇」は海軍の軍人、「闇」は闇屋、「顔」は統制経済の末端機関で配給品を取り仕切っている顔役を指さしていた。軍人らは配給品の特配を公然と受けて ・・・山路 健(著)「明治・大正・昭和の世相史」

「機構」の意味・使用例

「機構」とは

「機構」の意味

機構」は「ある仕事を行うために、複数の団体・国などを寄せ集めて構成した組織とその仕組み」という意味です。具体的には、官庁・会社・団体などの組織のことを指します。

また、「機構」には「物が組み立てられる仕組み。機械内部の構造・メカニズム」や「生物が生命を維持するための仕組み」という意味もあります。

ことばの博士
機構」は日常会話ではあまり使いませんが、新聞・ニュースでNATO北大西洋条約機構という言葉を耳にしたことがあるかもしれません

「機構」の基本例

  • 機構改革」
  • 「教育機構
  • 「平和維持機構

「機構」の例文

  • 内閣の支持率低下を受け、首相は機構改革を行うこととした。
  • 政府は新しい教育機構を設立し、新しい教育の指針を発表した。
  • 国連の平和維持機構が、紛争地域での停戦監視活動を開始した。

「機構」の文献例

  • ・・・市場機構の限界 このように,理想的な状況ではきわめて有意義な市場機構も,完全競争市場均衡が成立するための前提条件が満たされないならば,その有用性は大・・・ 常木 淳(著)「法と経済学」
  • ・・・ては,哺乳類の発生制御に,転写のみならず転写後の調節機構が大きく関与するという事実が示唆されている.転写されたmRNAの局在の決定,スプ ・・・岡野 栄之(著)/ 赤松 和土(著)「神経回路形成と機能発達」
  • ・・・緊張状態になっているかどうかによって区別をします. 初期接触は,顎関節機構をはじめ下顎の挙上筋群がリラックスした状態で咬合接触をしたときに起きる歯牙接触で・・・ 村岡 博(著)「その意義と臨床」

記事の参考文献

  • 編 西尾実・岩淵悦太郎・水谷静夫・柏野和佳子・星野和子・丸山直子(2019)『岩波国語辞典』第8版.岩波書店
  • 編 小野正弘・市川孝・見坊豪紀・飯間浩明・中里理子・鳴海伸一・関口祐未(2024)『三省堂現代新国語辞典』第7版.三省堂
  • 小学館「デジタル大辞泉」<https://dictionary.goo.ne.jp/jn>(参照日2024年8月25日)
  • 編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.
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