「鑑定」と「判定」の違い!使い分けのコツ

「鑑定」「判定」

「鑑定」と「判定」の違い・使い分けのコツ

「鑑定」「判定」
ことばの博士
鑑定」と「判定」は類義語ですが、その意味に違いはあるのでしょうか。

鑑定」は「本物か偽物かなどを見分けること」、「判定」は「試合などで是非を見分けて勝敗などを定めること」という意味の違いがあります。

鑑定」は「その物事が本物か偽物かなど見分けること」という意味です。

鑑定」の‟”は「その良し悪しを見分けること。よく点検すること」、‟”は「ある事を決めて変えないこと。さだめること」という意味があり、合わせると「その物をよく点検して良し悪しを見分けてさだめること」すなわち「本物か偽物かなどを見分けること」という意味になります。

一方、「判定」は「物事や試合を見分けて、その是非や勝敗などを定めること」という意味です。

判定」の‟”は「はっきり見分けること」という意味があり、‟”と合わせて「はっきりと見分けてさだめること」という意味になります。「判定」はルールなどに沿って物事の勝敗や是非を見定めることを指します。

助手猫
”と‟”の違いに注目すると違いが分かりやすいで~。

「鑑定」の意味・使用例

「鑑定」とは

「鑑定」の意味

鑑定」は「その物事が本物か偽物かなど見分けること。目利き」という意味です。骨董品や資料などの真偽や良否などを見分けてさだめることです。

また、「鑑定」は「裁判で学識経験者が専門的な意見や判断を述べること」という意味もあります。

ことばの博士
鑑定」の類義語に「査定」「品評」などがあります。

「鑑定」の基本例

  • 「骨董品の鑑定
  • 「筆跡鑑定
  • 鑑定人」

「鑑定」の例文

  • 祖父から貰った骨董品の鑑定をしてもらった。
  • いたずら書きの犯人捜しで、筆跡鑑定のように文字を見比べた。
  • あの鑑定人の経歴なら、鑑定結果も間違いないと思う。

「鑑定」の文献例

  • ・・・から有望な資格として(民間資格でしたが)、宝飾業界内では評価の高い宝石鑑定士を選びました。 その頃は宝石鑑定士の資格は大きく分けて二つあって、一つは全国宝・・・ 梅田 信利(著)「35歳までに自分を変えたい人の勉強法」
  • ・・・0万円)相当の指輪も届いた。宝石や貴金属の場合、持ち込む前に宝石商に鑑定してもらう拾い主が多いという。起源は教会 常時10万点を収める保管庫は、50ユー ・・・朝日新聞社(著)「朝日新聞」
  • ・・・。各都道府県、地方局、そして中央の国税局が段階的に毎年開くものだ。専門の鑑定官が利き酒をして数点の金賞を選び出す。広告やラベルに「受賞酒」という表現を許され・・・ 日下 圭介(著)『「天の酒」殺人事件』

「判定」の意味・使用例

「判定」とは

「判定」の意味

判定」は「物事の是非や試合の勝敗などを見分けて定めること。また、その決定のこと」という意味です。ある基準やルールに沿って、物事の合否を決めたり、試合の勝敗の判定などを行うことを指します。

ことばの博士
判定」の類義語に「裁き」「ジャッジ」などがあります。

「判定」の基本例

  • 「勝負の判定
  • 判定勝ち」
  • 「合否の判定

「判定」の例文

  • 友人と石投げで勝負し、その勝負の判定を兄に任せた。
  • 柔道の試合で引き分けに思えたが、判定勝ちになった。
  • オーディションの合否の判定が気になる。

「判定」の文献例

  • ・・・後、被害家屋調査要領をまとめた。家屋内部の被害を考慮し、“武士の情け”で判定すべき」と強調した。 被災度判定は、応急危険度判定とは目的も内容も別物で、「危険 ・・・神戸新聞社(著)「神戸新聞」
  • ・・・影響を与える一つの公的な意見と言える。その中の一項目「脳の死による死の判定と患者または家族の意思」の中に次のような表現がある。〔患者本人の意思と家族の意思 ・・・波平 恵美子(著)「病と死の文化」
  • ・・・ない。今回のような大誤審は審判にも謹慎の処置がなされてもおかしくない。勝負の判定は覆らないのは常識である。それだけに権限をもつものの見識や洞察力は厳しく問われる・・・ 赤嶺 逸男(著)「大相撲に魅せられて」

記事の参考文献

  • 編 北原保雄(2021)『明鏡国語辞典』第3版.大修館書店
  • 編 見坊豪紀・市川孝・飛田良文・山崎誠・飯間浩明・塩田雄大(2022)『三省堂国語辞典』第8版.三省堂
  • 小学館「デジタル大辞泉」<https://dictionary.goo.ne.jp/jn>(参照日2024年9月4日)
北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)
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