「常用」と「愛用」の違い!意味や使い分けのコツ
「常用」は「いつも使うこと、継続して使うこと」、「愛用」は「気に入っていつも使うこと」という意味の違いがあります。
「常用」は「いつも使うこと・ふだん使うこと・継続して使うこと」という意味です。
「常用」の‟常”は「つね、いつも、いつまでも変わらない」、‟用”は「もちいる、つかう」という意味がありますので、「常用」は「いつも使う」という意味になります。
「常用」は、日常的に使っていることを表す場合や習慣的に使っていることを表す場合に用いられます。
一方、「愛用」は「気に入っていつも使うこと・ある品物を好んでいつも使うこと」という意味です。
「愛用」の‟愛”は「愛でる、好む、したしむ」という意味があり、上述の‟用”と合わせると「好んで使う」という意味になります。
「愛用」は、愛着をもっていつも使う場合や、気に入ったり好んでいつも使う場合に用いられます。
「常用」も「愛用」も、いつも使っているという点では同じですが、「愛用」には、愛着や好んでというニュアンスが入る点が違いといえます。
「常用」の意味・使用例
「常用」の意味
「常用」は「いつも使うこと・ふだん使うこと・継続して使うこと」という意味です。
なお、土木などの建設業界でも「常用」は使われ、「一定の仕事を決められた時間内で完成することとし、労働実績払いで代金を受け取る契約」を意味します。
ただこの場合の「常用」は、「常傭」の「傭」の字が、わかりずらいための代用として使われています。
「常用」の基本例
- 「常用漢字」
- 「非常用発電機」
- 「睡眠薬を常用する」
「常用」の例文
- 彼の名前は常用漢字にない文字を使用しているため、誰も読めない。
- 大災害に備えて非常用発電機のテストをしておこう。
- 最近は小学生でも睡眠薬を常用しているらしい。
「常用」の文献例
- ・・・のにも、たくさんのドラッグ・気分に作用し、変化させる物質があることだ。これらには常用性と麻酔性があるからこそ、我々はその摂取の仕方や、楽しみ方に気をつけなければなら・・・ 柏木 亜希(著)「気まぐれ雑記帳」
- ・・・になり、年齢差別が解消されることが期待される。しかし3の取り決めは、派遣労働者が常用労働者の代替となることを避けるべきである。五 技能養成工 技能養成工は、むかしは・・・松岡 三郎(著)/ 松岡 二郎(著) 「総解説人事・労務の法律」
- ・・・ねにカーボン・ライトに当たっていたわけで、眼を相当に痛めた。彼女は普段、黒眼鏡を常用するようになり、これが彼女のトレードマークのようになってしまった。 ヘンリーの撮・・・ 都築 政昭(著)「シネマがやってきた!」
「愛用」の意味・使用例
「愛用」の意味
「愛用」は「気に入っていつも使うこと、ある品物を好んでいつも使うこと」という意味です。
「常用」と同じく、「いつも使うこと」を表しますが、強い愛着があることをより示したいときに「愛用」を用います。
「愛着」という個人的な感情がベースにある言葉であるため、「常用」の例えば「常用薬」「常用漢字」と異なり、「愛用〇〇」という熟語を形作ることは少ないです。
「愛用」の基本例
- 「愛用の枕」
- 「ヴィトンのバッグを愛用する」
- 「加熱式タバコの愛用者」
「愛用」の例文
- 旅行先でも愛用の枕がないと眠れない。
- 曾祖母から譲り受けたヴィトンのバッグを愛用している。
- 日本人の喫煙者のうち、3割以上が加熱式タバコの愛用者だ。
「愛用」の文献例
- ・・・ものが出現し、酒好きな男たちのパラダイスとなる。 音楽家もご多分にもれず、そこを愛用した。顔馴染みのオーケストラの楽員たち、放送局の職員たち、有名な作曲家や指揮者ま・・・高橋 巌夫(著)「永遠の蝶々夫人三浦環」
- ・・・ 注意を記入してあるが、細かい印刷文字をいちいち読む人は少ないだろう。 鳴沢夫人の愛用した頭痛薬にも、発がんの恐れのある成分が含まれていた。発がんの原因がその薬剤のみ・・・ 森田 功(著)「やぶ医者の一言」
- ・・・あります。この種の中型カメラは風景写真、特に山岳写真を創作対象としている人たちに愛用されています。その理由は、大きく引き伸ばした時、原板サイズが大きい程、細部にまで ・・・船山 克(著)「中高年のための写真道楽」
記事の参考文献
- 偏 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版,三省堂.
- 偏 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之(2011)『新明解国語辞典』第七版,三省堂.
- 編著 北原保雄(2010)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年12月2日).
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年12月2日).